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ホワイトペーパー

振動・騒音性能を予測するコンポーネント・ベースの伝達経路解析 (TPA)

ハイブリッド車や電気自動車では、ドライブ・トレインのノイズはあまり目立たないため、他のシステムのノイズがより大きく感じられます。そこで自動車メーカーは、シミュレーションやテストベンチ測定で得た個々のコンポーネント・モデルから、対象アセンブリのノイズを予測する技術を取り入れて、コストと時間のかかる設計やり直しを回避する必要性に迫られています。比較的新しいソリューションであるコンポーネント・ベースの伝達経路解析 (TPA) は、多くの設計バリエーションを迅速に評価し、振動・騒音性能を早い段階から絶えず制御することで、開発中に潜在的な振動・騒音問題を早期発見し、システムを最適化します。

最初の試作車を作成する前にコンポーネントの振動・騒音性能を予測するためのガイドラインについて、詳細をホワイトペーパーをダウンロードしてお読みください。

コンポーネント・ベースのTPAとは何か

伝達経路解析 (TPA) は、ソースからレシーバーへのノイズ寄与を数学的に評価する手法です。一方、コンポーネント・ベースの伝達経路解析 (TPA) は、ノイズ源のコンポーネント (ソース) を受け側の構造 (レシーバー) から切り離して特性評価できる仮想プロトタイピング手法です。従来の伝達経路解析 (TPA) とは異なり、コンポーネント・ベースのTPAは、製品全体ではなく、各コンポーネントに焦点を当てた音源探査手法です。自動車メーカーは、コンポーネント・ベースのTPAを音源探査技術として用いることで、個々のコンポーネント・テストに基づいて車両システム全体の振動・騒音性能を予測し、実際に即したコンポーネントの目標値を設定することができます。コンポーネント・ベースのTPAの目的は、テスト装置のデータから各ノイズ源の負荷を個別に特定し、それを受け側構造と組み合わせることで、仮想的に組み立てた構造で振動・騒音性能を予測できるようにすることです。

最初の試作車を作成する前に、振動・騒音性能を正確に予測

車両の電動化が進み、パワートレインのオプションが増えたことで、自動車業界はより複雑な製品とより多くの車両モデルに対応しなければなりません。多くのアセンブリで構成される複雑な製品を開発する場合、振動・騒音問題は設計プロセスの終盤にならないと発見されないことが少なくありません。しかも、完全なシステムとして統合されると、複数のコンポーネントが相互作用するため、振動・騒音性能の低下を引き起こしているコンポーネントを特定するのは困難です。このコンポーネント・ベースのTPAを用いた仮想プロトタイピングを採用すれば、多くの設計バリエーションを迅速に評価し、振動・騒音性能を早い段階から絶えず制御することができます。これにより、最初の試作車を作成する前の、変更による影響やコストがまだそれほど大きくない段階で、潜在的な振動・騒音問題を早期発見し、システムを最適化することができます。

電気モーターを例にコンポーネント・ベースのTPAプロセスを紹介

コンポーネント・ベースのTPAは、Blocked Forceという概念を用いて、統合したシステム・アプリケーションとは切り離してアクティブ・コンポーネントのみの特性を評価します。これにより、アクティブ・コンポーネントとパッシブ・コンポーネントを組み立てたときに、システム全体におけるアクティブ・コンポーネントからのノイズ寄与を解析できるようになります。このホワイトペーパーでは、電気モーターの例を用いて、コンポーネント・ベースのTPAプロセスをステップごとに説明します。最初のステップでは、ISO 20270 (Blocked Forceの間接測定) とISO 9611 (Free velocityの測定) にしたがって電気モーターを単独で特性評価します。次のステップでは、エンジニアリングの意思決定を加速する部分構造法 (サブストラクチャリング) 技術を使ってアセンブリの予測を行います。最後に、目標応答を予測し、Blocked Forces、Free Velocity、ISO 21955を使用して、新しいアセンブリでのエンジン・コンポーネントの性能を評価します。

自動車メーカーの開発時間とコストを削減しながら、すべての車両バリエーションの振動・騒音の設計目標達成に役立つコンポーネント・ベースのTPAソリューションについて、詳細はホワイトペーパーをお読みください。

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