ユーザー事例

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションを使用して大幅な改善を図った重機メーカー

Foton Lovolは、NX、Teamcenter、Tecnomatixを使用して、精度の向上とコスト削減を実現しました。

Foton Lovol

Foton Lovol International Heavy Industry Co., Ltd.は、建設機械、農業機械、車両の大手メーカーです。

https://en.lovol.com/

本社:
濰坊市, China
製品:
NX, Teamcenter, Tecnomatix
業種:
重機

共有

Foton Lovolは、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションを使用したことで、開発サイクルを30%短縮、プロトタイプとテストにかかるコストを50%削減、設計精度を30%向上、研究開発コストを20%削減、変更にかかる時間を25%短縮、配布したデータの精度99.9%を確保、待機中の人材や材料を5%削減しました。
Li Jinliang氏, ITディレクター, Foton Lovol

製品開発の改善

Foton Lovol International Heavy Industry Co., Ltd. (Foton Lovol) は、基本的な運用と保守、研究開発 (R&D) 管理、およびアフターサービスに、Teamcenter®ソフトウェア、NX™ソフトウェア、Tecnomatix®ポートフォリオなど、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの製品ライフサイクル管理 (PLM) ソリューションを組織全体で使用し、製品開発を大幅に改善しました。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションを使用することでFoton Lovolは、効率、精度、安全性、費用対効果に優れたPLMシステムを確立し、他のシステムに正確なデータソースを提供するとともに、プラットフォーム全体でデータの一貫性を保てるようになりました。

Foton Lovolは、建設機械、農業機械、車両、およびコア・コンポーネントを製造する大手産業機器メーカーです。2013年、「Lovol」ブランドの評価額は215億5800万元に達しました。

急速に変化する市場で持続可能な成長を維持するために、同社は単なる量や規模重視ではない「含意のある成長」、「構造の調整」、「グローバリゼーション」の戦略を立てました。今後予想される国際的な開発ニーズに備え、製品をより迅速に開発するためのビジネス管理・運用プラットフォームを構築し始めました。

Foton Lovolは、事業の再編と変革においていくつかの困難に直面しました。中国、イタリア、日本にいくつかの研究所や技術センターを構え、地域や国、WAN、専門領域の垣根を超えて効率的で協調的な研究開発・設計を実現するうえで、文化の違いを克服するという難題を抱えていました。

R&D部門は、さまざまな製品ラインで作成したデータを頻繁に共有したり借用したりしていますが、マネージャーは、安全なデータ再利用とコスト削減をどう実現すればよいか悩んでいました。Foton Lovolでは、「1台の車両に1つのBOM」というBOM (部品表) 管理の考え方を採用しており、製品の設計バリエーションは多くありませんでした。しかし、この方法では、メンテナンスに多大な負荷がかかり、対応も遅くなっていました。「当社は、市場の要求にいかに早く対応できるかという課題に直面していました。部門ごとにそれぞれ異なる設計ソフトウェア・システムを使用していたため、これらのシステムで作成した設計データを一元化したPLMプラットフォームで効果的に管理する必要がありました」と、IT (情報技術) ディレクターのLi Jinliang氏は説明します。

3ステップの戦略

この問題を解決するために、Foton Lovolは独自の情報プラットフォームを築きました。計画プロセスの最初にIT情報プラットフォーム構築の目標を3ステップの戦略で定義しました。

同社の「含意のある」成長管理と開発目標を達成するための第1のステップは、基盤を固め、最適化を続け、会社の経営管理およびプロセスを組織化することです。そして、グループ構造、分散アプリケーション、一元化したポータルを使用して情報システム・プラットフォームを構築します。第2のステップは、グローバリゼーションに向けて、グローバル規模の研究開発 (R&D)、製造、販売、サービスの情報システムを徐々に構築することです。第3のステップは、ITを会社のコア・コンピテンシとして確立するために、ビジネス・インテリジェンスに基づく意思決定プロセスを実現することでした。組織全体のナレッジ資産を効果的に管理する組織戦略に従ってこれを実践することが重要です。

Foton Lovolは、基本業務、R&D管理、サプライチェーン管理、マーケティングおよびアフターサービスのためのプラットフォームを築き、同社の重要な製品とサービスをすべてカバーしました。この4つのプラットフォームで、PLM R&Dの一元化、SAP AGのERPシステムの統合、コールセンターの一元化、基本ネットワークの一元化を実現することで、さまざまなビジネスニーズに素早く対応し、ビジネスのグローバル展開を効果的に進められるようにしました。

「PLM R&Dプラットフォームは、Foton Lovolの全体的な情報システムをつなぐ重要な役割を果たします。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアとの協力により、効率、精度、安全性、コスト管理に優れたPLMシステムを確立することができました。このPLMシステムは、他のシステムの正確なデータソースとなり、プラットフォーム全体でデータの一貫性を確保します」とLi Jinliang氏は述べています。

PLMシステムの導入により、同社はR&Dセンターのグローバル配置戦略や、分散したチームによるコラボレーション設計、領域間や製品ライン間のデータ共有、データの精度と一貫性、データ・セキュリティ、変更の正確さとスピードなどの問題に対処できるようになりました。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションをさまざまなビジネスニーズに合わせて利用することで、事業開発やR&D設計、R&D管理の改善、コストの削減、データ精度の向上といった問題にも対処しています。

システム選択の基準

Foton Lovolの経営陣は、市販されている代表的な設計ソフトウェア・システムを総合的に調査し、独自の選択基準を定めました。Li Jinliang氏は次のように説明します。「幅広いアプリケーションを備え、PLMシステム内でシームレスに連携し、ITプラットフォーム全体と効果的にコラボレーションするソフトウェアを探していました。また、操作性と拡張性に優れ、事業開発を迅速にサポートできるかどうかも重要な基準でした。調査の結果、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの技術が、製品のR&D設計を効果的に管理し、R&Dからアフターサービスにいたるまでデータを一貫して維持できるとともに、優れた拡張性により、部門や地域の境界を超えてR&D設計を効果的にサポートできることがわかりました。最終的にシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの3つの製品、Teamcenter、NX、Tecnomatixを選択しました。」

TeamcenterとNXの緊密な統合により、設計エンジニアはNXを使用して製品設計を完了した後、生産段階に役立てるようTeamcenterを使用してデータを管理します。「TeamcenterとTecnomatixを使用することで、レイアウトと設計、シミュレーション、製造実行の検証など、プロセス全体が強化しました。生産効率が向上し、コストが削減するとともに、組織の競争優位性も高まりました」とLi Jinliang氏は言います。Foton Lovolは、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションを使用したことで、開発サイクルを30%短縮、プロトタイプとテストにかかるコストを50%削減、設計精度を30%向上、研究開発コストを20%削減、変更にかかる時間を25%短縮、配布したデータの精度99.9%を確保、待機中の人材や材料を5%削減しました。

「ビジネスと情報技術を組み合わせることで、相互に強化し、改善し合うプロセスが成り立ちます。情報プラットフォームはビジネスの変革を推進します。ビジネスの成功には、情報プラットフォームの効果的なサポートが必要なのです」とLi Jinliang氏。

パイロット・プロジェクトの第1段階では、Foton Lovolは一元化したPLM R&Dプラットフォームを築き、農業機械事業、エンジニアリング機械事業、車両事業を1つのR&Dプラットフォームに統合しました。研究センター同士の対話を設け、製品コードのルールや図面テンプレート、製品リソース管理、データ承認、設計変更管理、データ共有要件を一元化するとともに、その他各部門のさまざまな側面について考慮しました。

パイロット・プロジェクトの第2段階では、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアと関連サービス・プロバイダーの全面的なサポートを通じて、システムテストを実施し、膨大な履歴データの移行という難題を乗り越えました。おかげで業務部門は手作業によるデータ移行を免れ、多大な量の作業から解放されました。

パイロット・プロジェクトの第3段階では、文化の違いや働き方、設計に対する考え方、管理スタイルなど、同社の各R&Dセンターで直面していた、自国との違いから生まれる問題に対処しました。これまでは、海外のR&Dセンターとのやりとりには電話やメールしか使えなかったため、コミュニケーションをとることが困難でした。「シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの技術を使用することで、Foton Lovolはそれぞれのビジネスニーズを見きわめ、そのニーズをシステム全体に取り込めるようになり、国境を越えた協調的な設計を実現できました」とLi Jinliang氏は言います。

このプラットフォームを使用すると、Foton Lovolは、海外のR&Dセンターの高度な設計コンセプトや技術をより効果的に取り入れることができ、重要なコア・コンポーネントの機能を強化し、国際基準との差を縮め、グローバル・リソースを効果的に統合するとともに、コスト削減と開発サイクルの短縮、製品の出力品質の向上を図り、企業のコア競争力と国際的な影響力を高めることができます。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの製品ライフサイクル管理ソリューションを使用することで、Foton Lovolはグローバル開発戦略の強固な基盤を築くことができました。

...TeamcenterとTecnomatixを使用することで、レイアウトと設計、シミュレーション、製造実行の検証など、プロセス全体が強化しました。
Li Jinliang氏, ITディレクター, Foton Lovol