ホワイトペーパー
Tessent™ Streaming Scan Network (SSN) は、スキャン・テスト・パターンをパケット化して伝送するためのシステムです。これにより、チップレベルのピンが少なくても、複数のコアを同時にテストできるため、テスト時間の短縮とテストデータ量の削減を達成します。SSNは真のSoC DFTソリューションです。DFTエンジニアは、テスト実装工数にも製造テストのコストにも妥協する必要がありません。
設計の規模と複雑度が劇的に高まり、テストの適応が難しくなるなか、スキャンテスト用データをチップレベルのピンからコアレベルのスキャン・チャネルに送出する従来の手法には課題が山積しています。従来の手法でスキャンデータをコアに伝送しようとすると、チップレベルのピンと各コアを1つ1つ接続しなければならず、また両方のピンの依存関係を一度設定すると変更できないなど、柔軟性にも限界がありました。ボトムアップ設計フローの場合、DFTエンジニアが各コアに一定数のスキャン・チャネルを割り当てるのが一般的です (通常はすべてのコアで同数)。これは最も平易な手法ですが、コアによってスキャン・チェーンの長さとパターン数が異なることもあるため、帯域幅が無駄になる可能性があります。そのほかにも、スキャンテストに使用できるIOに限界がある、コアレベルのチャネル数に制限がある、配線が混雑する可能性があるといった弱点もあります。
また、マルチプレクサのピンを使用したスキャンでは、テストデータが途中で変更されても、それに合わせた調整ができません。たとえば、歩留まりが上昇すると、コアによっては一部のパターンが不要になることもあります。あるいは、ウェハテスト、パッケージ・テスト、インシステム・テストには配列を変える必要があることもあるでしょう。
Tessent Streaming Scan Networkのように、テストデータをパケット化して伝送する手法はより柔軟であり、効率的です。すべてのコアまたはブロックに接続したネットワーク全体にスキャンテスト用データを伝送するという考え方です。チップに入出力するデータは、従来のものとは違い、パケット化されています。このデータをネットワークが理解し、さらに各コアでも理解できるように従来の見た目に変換します。SSNアプローチは、高速同期バスを使用して、スキャンテスト用のデータ・パケットをコアに伝送することによって、コアレベルのテスト要件をチップレベルのテストリソースから切り離すという原則に基づいています。