呼吸装置のシミュレーションのためのSimcenterソリューション

医療機器業界では、設計上の欠陥を理由とする機器のリコール率が何年にもわたって増加しています。こうしたなか多くの企業が、問題を解決するための手段としてシミュレーション技術に注目しはじめました。シミュレーションを使えば、徹底的な設計探索を迅速に行って、予期せぬ欠陥やリコールのリスクを最小限に抑えることができます。

Simcenter™ソフトウェア・ポートフォリオはXcelerator™の一部です。イノベーションを進める設計者や解析担当者を支援するさまざまなソリューションが付属しています。Simcenterには、複雑なシナリオのシミュレーションや設計探索、テストの機能が組み込まれています。

このホワイトペーパーは、呼吸装置の設計について触れるとともに、空中浮遊病原体の拡散を抑制する対策の有効性を評価するうえでマルチフィジックス・シミュレーションがどのような役割を果たすのか、ケーススタディーを交えてを説明しています。

新型コロナが呼吸装置市場に及ぼす影響

新型コロナは史上まれにみるパンデミックを引き起こし、これまでに死者は累計で417万人を超えています。今回のパンデミックにより、私たちの社会生活は大きく変わり、世界経済の多くの分野で不可逆的な変化が生じました。医療機器市場のなかでも、特に影響を大きく受けた分野があります。例えば整形外科分野、心臓血管分野、歯科分野は、選択的手術の中止やサプライチェーンの混乱による影響を受けました。一方、2020年に成長した分野もいくつかあります。

新型コロナのパンデミックで、人工呼吸器、酸素濃縮器、酸素濃度計などの呼吸装置の需要が大きく伸びました。病院向け医療用品の需要が増加するなか、人工呼吸器の世界市場は300%以上拡大しました。コロナ禍にあっては、治療用呼吸装置の迅速な開発、試験が求められます。パンデミックは未だ終息していないため、医療機器業界は変化する状況に適応し続ける必要があります。

シミュレーションを選択する利点

医療機器業界もまた常に変化する業界です。メーカーは、「イノベーションの速度を上げて競争に後れることなく、重要な救命装置を製造しなければならない」というプレッシャーを感じています。 通常の臨床試験は期間が長く、効果的な試験を短時間で行うことはできません。このため企業は、試験を加速する手段としてのシミュレーションに注目しています。

シミュレーションを活用すると、呼吸装置の設計や試験を効率的に行えます。粒子の動きを予測して、換気の状況やコロナの汚染を調査することも可能です。シミュレーションを使えば、実際の試作品と比べて、より多くの設計探索を行うことができます。このホワイトペーパーをダウンロードして、パンデミックとの戦いにシミュレーションを導入した企業の事例をご一読ください。