ヒートシンクは、電子機器の冷却に万能な答えだと思われているふしがあります。ヒートシンクは熱を拡散させるため、ヒートシンクがない場合よりもはるかに広い表面積から熱が空気中に伝わります。その後、空気が熱を運び去り、熱を発生させた電子機器を冷却します。だとすると、熱的に重要なすべてのコンポーネントの上にヒートシンクを配置すれば問題は解決するのでしょうか。
ヒートシンクは、電子機器冷却のジレンマに対する究極の解決策だとして高く評価されています。ヒートシンクに熱が分散され、周囲の空気に放散される表面積が効果的に増加します。このプロセスにより、熱を発生させる電子機器の冷却が促進されます。それにもかかわらず、ヒートシンクが熱的に重要なすべてのコンポーネントの上に配置されない理由は、何でしょうか。
その答えはシミュレーションにあります。Simcenter Flothermなどの高度な3D熱シミュレーションおよび解析ツールを使用することで、製品やそのコンポーネントを複雑にモデル化できます。設計者はシミュレーションを通じて、空気と熱の流れの複雑な相互作用が、デバイス内およびデバイス周辺でどうなっているか、知見を得ることができます。この豊富な情報により、ヒートシンクの戦略的な配置と利用に関して、情報に基づいた意思決定を行い、最も必要な場所で冷却効率を最適化することができるのです。