CFD (数値流体力学) 解析が船舶設計に広く取り入れられるようになってきました。CFDは通常、模型スケールで実施し、水槽試験データと比較します。ただし、レイノルズ数の増加が考慮されないため、模型スケールの結果からフルスケールの結果を予測するのは困難です。このため、模型スケールの最適な設計案が必ずしもフルスケールの要件を満たすとは限りません。プロペラや省エネルギー機器といったスケールの違う船舶コンポーネント間の相互作用の検証も模型スケールでは容易ではありません。このホワイトペーパーは、Milovan Peric教授がフルスケールCFDに関する通説を精査し、現実的な動作条件下で船舶設計のフルスケールCFD解析を行う方法を提案します。
レイノルズ数のスケール変換 (拡縮) による影響や計算メッシュ要件などを考慮したフルスケール解析について考察するとともに、フルスケールのCFDシミュレーションを適用した複雑な事例も紹介します。フルスケール・シミュレーションは、代替手法に比べて精度と信頼性が高いことが多く、設計パフォーマンスの詳細な理解に役立ちます。
海洋構造物とシステム全体のフルスケール解析と設計には、デジタルツイン技術が必要です。
強力なソフトウェアを使ってシミュレーションすれば、実際に即した動作条件を再現し、適切な設計案を見つけられます。海洋産業では多くの経験豊富なユーザーがCFDシミュレーションをフルスケールで活用し、成果を上げています。フルスケールCFDの利点について、詳細はホワイトペーパーをご覧ください。
このホワイトペーパーでは、フルスケール予測ソフトウェアの実例も紹介しています。多くのケースで、模型による実験からフルスケール (実寸大) を推測するより、フルスケールのCFD解析による予測のほうが信頼性が高くなります。