デジタル・エビデンスの生成: シミュレーション主導の医療機器設計
基盤となる技術はより複雑化し、治療は患者に合わせて個別化され、規制環境はより厳格化しています。マルチフィジックス・シミュレーションとテストは、こうした課題の一つひとつに対処するうえで役立つ重要な技術です。
機器のライフサイクルのすべての段階で効果がある
機器の性能をシミュレーションする機能 (デジタル・エビデンスの生成) は、機器のライフサイクルのすべての段階で役立ちます。
設計初期段階: シミュレーションによって設計空間を探索し、重要な設計パラメーターを考慮しながら設計選択を導きます。
規制当局による承認段階: 実証済みの信頼できるシミュレーションを使用して、安全性と有効性を証明するエビデンスを生成します (「インシリコ試験」)。このエビデンスは、規制当局への申請の提出物の一部になるため、臨床試験の規模や範囲を縮小できます。
製造段階: 製造中に問題が生じた際に、シミュレーションを実施してトレードオフ解析の判断を下すのに役立ちます。
市場出荷後: 機器を使用したユーザーから問題が報告された際に、シミュレーションは問題の根本原因を特定するのに役立ちます。
あらゆる分野の大手および中小の医療機器メーカーにメリット
マルチフィジックス・シミュレーションによって、大手メーカーも中小メーカーも等しく、設計中・製造中の機器の性能や重要なパラメーターに関して洞察を深め、基本的な理解を得ることができます。
整形外科関連から、診断装置、実験装置、心臓血管関連、神経学領域、外科用機器、ロボット装置、人工装具、外骨格デバイスまで、あらゆる分野でシミュレーションを活用し、次のようなメリットを得ることができます。
コストのかかる試作を削減
規制当局への申請・承認プロセスを加速
患者が画期的な機器を手にするまでのスピードを向上
リコールの可能性を低減
このホワイトペーパーは、今日のシミュレーション・ソリューションを活用することで、医療機器メーカーがいかに個々のコンポーネントやサブシステム、機器全体を実物に即してモデル化できるか、また、機器のライフサイクル全体を通じて安全性と有効性を最大化しながら、いかに市場投入期間を短縮し、機器メーカーの収益性を向上できるかについて説明します。