米国国防総省は、より迅速な開発とより多くのイノベーションを求めています。同時に、要件の数は飛躍的に増え、複雑化も急速に進んでいます。このように航空宇宙・防衛業界は、相反するさまざまなプレッシャーに直面しており、従来の考え方やプロセスの改革が求められています。スピードとイノベーションを妨げる最大の障壁は、プロジェクトを大きな単位で順番に完成させていくウォーターフォール手法です。この手法は、品質を確保し、要件を満たすには信頼性の高い手法ですが、もう1つこれと同様に信頼性が高く、そのうえリスクを最小化しながら機敏性を最大化する方法があるのです。このホワイトペーパーでは、CIMdataがアジャイル手法について詳しく分析し、航空宇宙・防衛関連企業において、反復的な手法がいかにスピードとイノベーションを促進するかを明らかにします。
開発チーム全体を統合した航空宇宙・防衛関連企業の多くは、機械や電気、ソフトウェアというようにチームごとに縦割りだった従来と比べて著しい改善を見せています。縦割りのチーム体制でも連携して作業を進められるかもしれませんが、各ソフトウェアツールで別々に生成されたデータはそう簡単には連携できません。互換性のないデータは手作業による変換によって、不要なリスクをもたらす一方、自動変換ツールを使った場合でも、完全だった情報が最もシンプルな基本形式へとそぎ落とされてしまうことがあります。そうなると、イノベーションや、情報に基づいた意思決定は妨げられることになり、アジャイル開発の利点が十分に活かされなくなります。最もコアなレベルで統合したソフトウェアツールを使い始めることで、アジャイル手法は力を発揮します。すべてのデータが同じ言語を使い、信頼できる唯一の情報源を基盤としてこそ、プログラムマネージャーやエンジニア、その他の関係者は、プロジェクトの進捗状況をリアルタイムに可視化できるようになります。ウォーターフォール手法に頼っていたときの「成功か失敗か」というプレッシャーから解放されれば、エンジニアはプロジェクトの納期を延ばすことなく、複数のデザイン構成を比較検討しながらイノベーションを生み出すことができます。
顧客や規制当局から求められる変化に対して既存の企業が即座に対応できなければ、ここぞとばかりに身動きの速い企業が新たな市場シェアを狙って競い合います。こうした新興企業の多くは設立当初から縦割り作業を排除し、アジャイル手法を取り入れています。既存企業のように自ら課した縦割りの障壁がないため、スピード感を持って新製品を市場投入することができます。大企業も、このような敏捷性とスピードを重視した戦略を取り入れることで、より高い評判を築き、業界を推進するリーダー的存在として見られるようになるでしょう。より重要なことは、アジャイル手法の採用は、より良い製品、リスクの低減、顧客満足の向上につながるということです。
CIMdataのホワイトペーパーで説明しているように、シーメンスのXceleratorポートフォリオなど、デジタル・スレッドを形成するツールを採用することで、航空宇宙・防衛関連企業は、敏捷性を最大化し、リスクを最小化できます。同時に、アジャイル手法によってこれまでにない開発効率を達成できます。さらに航空宇宙・防衛業界は、ますます多くのことをより短時間で実現することを求められるなか、エンジニアリングツールや、プロジェクト管理ソリューション、ビジネスデータ、BOM全体をシームレスに統合することで、最初から優位な立場で望めるようになります。