Lifecycle Insightsの産業アナリストであるChad Jackson氏は電子ブックで、コア設計にリバースエンジニアリングを取り入れる方法を考察しました。
『リバースエンジニアリングをコア設計に取り込む』と題した電子ブックの中でJackson氏は、リバースエンジニアリングをCADソフトウェアで活用する必要性をまず明らかにします。「製品やコンポーネントはときとして、構成や制御が確立される前に開発されることがある」そして「有機的な形状のデザインはまず実際に開発してから、それをデジタル定義に変換する必要がある」と述べています。続けて、概念設計、詳細設計、プロトタイプ作成とテストの各段階でリバースエンジニアリングをどのように取り入れられるかを説明します。CAD設計分野では、いずれの領域も似たような手順を踏みます。通常、対象をスキャンして、モデルをメッシュ形状で生成します。その後、エンジニアが設計を改良できるように、モデルを変換します。
Jackson氏はまた、リバースエンジニアリングにCADソフトウェアを活用するうえでのより大きな課題についても言及しています。通常、対象物をスキャンするときに形状をモデル化する長いプロセスを経ますが、その際、エンジニアが直接、モデルに手を加えることのできるタイミングがあります。モデルをさまざまな形式に変換していく過程で、ユーザーにとって扱いやすいモデルへと作り替えていきます。その過程では、データの双方向のやり取りが発生するため、エラーの起こる可能性があります。NXは、メッシュ形状をユーザー処理可能なモデルへと素早く簡単に変換する単一環境を提供することでこの問題を解決しました。コンバージェントモデリングとは、メッシュモデリングとファセットモデリングで使うNX独自の用語です。このモデリング手法により、スキャン済みデータやそのほかのメッシュ形状をエンジニアが直接操作できます。CADソフトウェアの功績は、リバースエンジニアリングのプロセスをユーザーにとって扱いやすくしたことと、これまでモデルの処理に費やしてきた多くの時間を削減したことです。これまで4週間かかっていた作業がものの数時間です。この新しい技術がもたらす時間短縮は、NXで初めて実現されました。