MSEI(Micro Systems Engineering, Inc.)、シーメンスPLMソフトウェアソリューションで新製品導入をスピードアップ...
Micro Systems Engineering、Inc.(MSEI)は、生命維持装置など、高度管理医療機器向けのマイクロエレクトロニクスを専門としています。MSEIは広範な開発/設計サービス、システム統合、製造能力を提供し、高度に自動化され統合されたシステムを使用して、品質と信頼性に優れた小型コンポーネントやモジュールを製造しています。
1979年に設立されたMicro Systems Engineering Inc.(MSEI)は、クラスIII高度管理医療機器向けの電子モジュールを製造する企業です。MSEIの提供する製造能力には、SMD(表面実装部品)の組み立てとテスト、ウェハプローブの検査とテストなどがあります。心臓血管外科用機器の電子モジュール、パッケージデザイン、先端アセンブリー、ウェハ検査製品のメーカーであるBIOTRONIKにコンポーネントを提供する大手サプライヤーです。
MSEIは、クラスIII機器向けの製造を初回から成功させることに注力しています。一例を紹介します。サッカー選手のAnthony Van Looは試合中に心臓発作を起こしました。BIOTRONIKの植込み型除細動器が作動し、Van Looは現場で数秒後に蘇生しました。
MSEIのゼネラルマネージャー、Juergen Lindner氏は、次のように述べています。「外からは見えませんが除細動器は24時間365日動作しています。除細動器は何年もの間機能し続け、高い信頼性を維持できるものでなければなりません。医療機器業界に携わる人々は、「信頼性の高い製品を製造しなければならない」という大きなプレッシャーを背負っています。このため夜眠れなくなることさえあります。」
このことを念頭に、MSEIは製造実態の調査を実施しました。MSEIは、セラミックチップ/ワイヤから有機基板ベースSMDへと技術を移行し、製造プロセスのさらなる自動化が可能になりました。こうしてMSEIは製品と機械に関しては大きく進化しましたが、紙ベースのプロセスが効率的な成長を阻害していることに気付きました。そこでMSEIは、スケーラブルで柔軟なソリューションを探し始めたのです。そして行き着いたのが、医療機器業界向けに設計された製造実行システム(MES)、Camstar™ Medical Device Suiteです。
MSEIはCamstar Medical Device Suiteを使用して、受入検査から製造、組み立て、テストに至る製造プロセス/実行/部品のトレーサビリティを実現しています。MSEIには、自動化されたインターロック、製品ルーティング/ラベリング、Camstar Medical Device Suite機能とエンタープライズリソースプランニング(ERP)/サプライチェーンシステム、ビジネスインテリジェンス、ファクトリーオートメーションを高度に統合した、完全にペーパーレスの製造環境があります。
「Camstar MESは期待をはるかに超えて、当社のライン拡張と自動化拡大に不可欠なソフトウェアとなりました。今ではCamstar MESが製造現場を動かしています」
MSEIのCamstar Medical Device Suiteの最初の実装には、キッティングから出荷までのすべてが含まれていました(双方向SAPソフトウェアとCamstar Medical Device Suiteの統合、ペーパーレスの電子デバイス履歴(eDHR)、機器マスターレコード(DMR)、統合されたペーパーレスの不適合管理(NCM)、構成能なインターロック、SAPバッチ管理の統合、モバイル・ビジネスインテリジェンス)。例えばMSEIは、規格外の製品をある領域に移動させて、不適合の製品を隔離することも可能です。
MSEIはその後、最初の自動テストツールと2番目の製造ラインでMESを拡張しました。現在は、ポータルを統合し、Camstarの 相互接続ソフトウェアを運用するためにプラットフォームをアップグレードしています。Camstar Enterprise Platformに統合されたCamstarの相互接続を活用すると、複数の場所に製造プロセスを持つ企業は、製造プロセスと他の業務プロセスを相互接続させて全体的なパフォーマンスを改善し、あらゆるエンタープライズアプリケーションをより効果的に使用できるようになります。
MSEIは、同社のMES(Camstar Medical Device Suite)とERP(SAPソフトウェア)を緊密に統合することが急務となっていました。現在ではSAPは、部品表(BOM)や大まかな配線、文書を管理したり、必要なデータをCamstar Medical Device Suiteへ送信するために使用しています。Camstar Medical Device Suiteを使用すると、製造プロセス全体を通してリアルタイムの詳細な可視化と部品のトレーサビリティが実現し、完了時には情報がERPにフィードバックされます。そしてMSEIは詳細なシリアル情報を顧客に送信します。
また、MSEIは製造プロセスに構成可能なインターロックを組み込み、これで俊敏性が維持できるようになりました。再利用可能なファンクションで、アプリケーションを構成して品質/手順チェックを行い、あらゆるオペレーションで事前定義されたアクションを実行できます。この結果MSEIでは、Camstar Medical Device Suiteによるモデリングを通じた変更および適用が可能になりました。変更を加えるためのコーディングは不要です。
MSEIのエンタープライズ・リードアナリスト、Matt Williams氏は次のように述べています。「SAPと通信する際にMESを特定のオペレーションとポイントに設定しました。インターロックで、モデリングとトラッキング情報の同期を制御できます」
MSEIは、オペレーションを管理するためにCamstar Medical Device Suiteと主要なインテリジェンスツールを統合しました。例として以下のようなデータを自動収集します。
トランザクション/トレーサビリティデータ
測定/プロセスデータ
エンジニアリングデータ
製造の25%はテストビルドです。ビルドにはすべてのプロセスデータとトレーサビリティデータが含まれているため、MSEIはMESを使用してビルドを管理しています。このデータを使用して意思決定を下し、妥当性確認と検証を行います。
Camstar Medical Device Suiteは、MSEIの事業プロセスを成功させるために不可欠な、継続的な成長を支える重要な要素となっています。
Lindner氏は次のように語っています。「MSEIでは、従業員の約半数が製造に従事しています。これを15年前と比較すると、MSEIは今日、同じ担当者数で4倍の数量の製品を製造しています。当社の製品は従来とはまったく異なるものになり、複雑化も進んでいますが、同じ担当者数で対応できる生産量は大きく増えています。数字がそれを物語っています」
Williams氏は次のように述べています。「私たちは自動化、統合、データ交換をさらに進めようとしています。人間がノータッチの製造環境が欲しいのです」