サプライヤーのMANN+HUMMEL はTeamcenter製品コスト計算ソリ ューションを使用してコストを削減
MANN + HUMMEL Groupは、自 動車産業向けの液体および気体 フィルターシステム/吸気システ ム/キャビンフィルターを専門と するドイツの製造企業です。一般 エンジニアリング/プロセスエン ジニアリング/工業製造部門に 関する製品としては工業用フィル ター/メンブレンフィルター/水 濾過機器などがあります。
MANN+HUMMEL Groupは、継続的な 成長と、70年以上にわたる毎秒16個以 上のフィルター素子の製造という驚く べき実績を誇っています。 MANN+HUMMELは、高品質、サービ ス、イノベーションを通じて、世界の自 動車およびメカニカルエンジニアリン グ産業にとっての卓越した開発パート ナーかつOES (Original Equipment Supplier)となっています。5大陸にある 60か所以上の拠点で15,000人以上の 従業員を雇用しており、2013年の総売 上高は約26億8,000万ユーロでした。
MANN+HUMMELは今日では世界の自 動車産業の大手パートナーの1社です。 同社は、包括的なソリューションの開 発、コーディネート、販売を行っていま す。 MANN+HUMMELは、大手自動車メー カーの主力製品の開発において、重要 な役割を果たしています。例えば、BMW i8やCadillac CTSハイブリッド・スポー ツ・カーの極めて複雑な吸気システ ム、GMのディーゼルエンジンの吸気マ ニホルド、Audiのエンジンのオイルフィ ルター、Volvoのエンジンのチャージ・ 自動車・産業機械 エア・レゾネーター、Mercedes-Benz®の ディーゼル車両の燃料フィルターなどで す。
自動車サプライヤー業界は、条件や要件 の大きな変化のために、多くの課題に直 面しています。例えば、イノベーションに 必要な資金の増加や、ますますグローバ ル化する競争環境などです。業界にとっ て最大の課題の1つは、価格と利益率に 対する絶え間ない圧力に対処することが 全てのプロジェクトで必須要件であるこ とです。
MANN+HUMMELは、グローバルな調 達戦略に基づいて、調達コスト、体系的 なサプライヤー管理、サプライヤー開 発を最適化することで、こうした環境下 での利益率と競争力を高めています。
調達先のグローバル化による調達市場 の拡大により、サプライヤー候補数は 急速に増加しています。イノベーション とテクノロジーの実現にふさわしいサ プライヤーと潜在力を見出すため、グ ローバルな調達市場の分析を試みる と、1か国の調達ポリシーだけでは不十 分です。こうした供給市場の複雑化は、 購買だけでなくサプライヤー管理にも 大きな影響を与えています。グローバ ル調達により、MANN+HUMMELのサ プライヤー管理グループにおける要件 と作業は大幅に増加しました。
「自動車業界ではコスト圧力が極めて 高く、当社はサプライヤーとして競争力 を維持する必要があります」と語るの は、MANN+HUMMELのサプライヤー 開発部門で働くMartina Jäger氏です。
2013年に、MANN+HUMMEL Group のグローバル調達金額は18億ユーロ に達しました。このうち、68%は製 造材料に、32%は製品、非製造材 料、サービスに費やされています。
調達コストの高さを考えれば、会社の 収益性と競争力のために効率的な購 買プロセスは重要です。
MANN+HUMMELはグローバル調達と サプライヤー管理の戦略的取り組みと して、調達業務にかかる間接コストの 持続的な削減を目指しています。
MANN+HUMMELでは、グローバル調 達戦略の一環として、いわゆる「最適調 達コスト国」からの適切な材料やコン ポーネントの調達を広げようとしてい ます。グローバルな調達戦略をサポー トするため、同社は、製品ライフサイク ル管理(PLM)のスペシャリストであるシ ーメンスPLMソフトウェアが提供する Teamcenter®製品コスト計算ソリュー ションの目標価格計算ツールを使用し ています。 MANN+HUMMELは、Teamcenterの 機能を利用して、各サプライヤーの全 てのコスト要素を詳細化し、サプライ ヤーとの共同ワークショップでその情 報を開示しています。これに基づいて、 製造工程、サイクルタイム、間接費、設 備稼働時間、または人件費が既に最適 化されているか、あるいはさらなる最 適化が可能かを判断するのです。
MANN+HUMMELの製品グループは、 この共同ワークショップを通じて、コス ト最適化の取り組みを進め、可能なコ スト削減を明らかにしています。 「Teamcenter製品コスト計算ソリュー ションによって得られる情報は、コスト 最適化の可能性を引き出します」と
Jäger氏は語ります。コスト削減の可能 性を見極めてから、製造コストをどのよ うに管理するかをサプライヤーとの間 で取り決めます。例えば、目標時間、ス ループット時間、加工時間を見直した り、別の製造拠点に移したりします。も ちろん、MANN+HUMMELにとって重要 なことは、ベンダーの製造工程の変更 が、高い品質標準に適合することです。
MANN+HUMMELのサプライヤー管理 と資材調達では、サプライヤーごとの ポートフォリオ戦略とコモディティグル ープ戦略を一貫して開発および実行す ることを重視しています。どちらの戦略 においても、コスト削減の可能性を発 見するとともに、目的の実現に必要な 手順を明らかにすることを目指してい ます。この目標を達成するた め、MANN+HUMMELはプラスチック、 アルミニウム、ダイキャスト、スタンピン グ部品、ガスケット/シール、ラジエー ターなどのコモディティグループのコス ト構造とサプライヤー環境を分析して います。この複雑な多次元のコスト構 造分析では、Teamcenter製品コスト管 理に付属するコスト明細機能を使用して、意思決定に必要な透明性を確保し ています。
同社は、どのコンポーネントが最大の 収益と売上高をもたらすかに基づく詳 細な分析に重点を置いています。 事実に基づくコスト分析のため に、MANN+HUMMELは、最新のデータ ベースを利用して、人件費、材料、設備、 製造工程といったデータを参照 し、Teamcenter製品コスト計算ソリュ ーションに内蔵されたサイクルタイム 計算機能を使用しています。この詳細 なナレッジを通じて、価格交渉のため の強力な分析フレームワークが得られ ます。「このソリューションは、サプライ ヤーのコストに対する理解を深めるた めに役立ちます」とJäger氏は語ります。
さらに、Teamcenter製品コスト計算ソ リューションは、MANN+HUMMELの社 内製造工程の分析と、コスト構造の最 適化にも用途を広げつつあります。
調達およびサプライヤー開発部門で は、Teamcenter製品コスト計算ソリュ ーションを使った作業から注目すべき 成果が得られました。MANN+HUMMELは、サプライヤー開発 のための共同ワークショップと最適調達 コスト国からの資材調達を通じて、より 広範囲のサプライヤーを基準として競 争を促進することで、一部のコモディテ ィ・カテゴリーでコスト削減を実現して います。「サプライヤーとの一部のプロジ ェクトでは、Teamcenterソリューション の購入価格分析ツールを利用すること で、最大16%のコストを削減しました」と Jäger氏は語ります。
MANN+HUMMELでは、グローバルビジ ネス、新しい拠点、グローバルな顧客の プロジェクトの拡大に伴い、調達の要件 が増加しています。資材調達部門とサプ ライヤーとの協力および情報交換がこ れまで以上に必要です。この環境 で、Teamcenter製品コスト計算ソリュー ションは、サプライヤーとのコスト交渉 内容の透明性向上を通じてグローバル 資材調達をサポートすることにより、資 材調達の複雑性を減らしています。Teamcenterは、世界的なコスト内 訳と、見積もりの妥当性の実現に利用 されています。
また、Teamcenter は、MANN+HUMMEL社内の複数の購 買チーム間の協力にも効果があると実 証されました。アクセス権のあるチーム メンバーであれば誰もが全社のコスト 計算を利用できるので、統合化された ナレッジベースを通じてグローバル購 買活動の最適化にも寄与します。
グローバル環境でのMANN+HUMMEL の課題は多様であり、購買の要件は極 めて細分化されています。調達市場と 顧客プロジェクトのグローバル化は、世 界展開しているサプライヤーのコスト 構造を削減するよい機会となりま す。MANN+HUMMELはTeamcenterを 使用することで、コスト構造を透明化す る方法を手にし、サプライヤーベース 全体で最適なコスト削減につなげるこ とができます。同社は将来的に可用性 と品質を維持しつつも、現地調達コス トにおいて優位性を実現するでしょう。