自動車サプライヤー、Simcenterを使用してサスペンション構造部品の強度と耐久性を向上

予想寿命を計算

Magneti Marelli Sistemi Sospensioni (Magneti Marelli、現Marelli)は、自動車産業向けの高度なシステムや部品を生産しています。19か国に89の生産ユニット、12の研究開発センター、26のアプリケーション・センターを展開し、ヨーロッパ、北米、南米、極東のあらゆる主要自動車メーカーに供給しています。38,000名以上の従業員を擁し、2014年の売上高は65億ユーロでした。</>

Magneti Marelliの事業分野には、電子システム、照明、モーター制御、サスペンション・システム/ショック・アブソーバー、排気システム、アフターマーケット部品/サービス、プラスチック部品/モジュール、モータースポーツなどがあります。Magneti Marelliはフィアット・クライスラー・オートモービルズ (FCA) の一部です。

Magneti Marelliは、自動車部品/アセンブリのリーディング・サプライヤーとしての地位を維持するうえで、多くの課題 (燃費を改善する軽量部品の製造、部品/アセンブリの寿命の正確な予測、プロトタイプ・コストの削減、溶接ジョイントの仮想解析とベンチテストの相関の改善など) に直面していました。

実際、多くの相手先ブランド供給メーカー (OEM) はサプライヤーに対して、従来の応力解析を実行するだけでなく、部品とジョイントの寿命を計算するように求めています。

再設計を最適化

こうした課題に対応するためMagneti Marelli Sistemi Sospensioniは、製品ライフサイクル管理 (PLM) のスペシャリストであるシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのSimcenterポートフォリオを使用しています。特に、Simcenterポートフォリオの耐久性シミュレーション・ソリューションを活用して、耐久性解析による予測をすばやく正確に行っています。 専用のポスト処理機能で、耐久性に問題のある部位、荷重、イベントに関するすべてのフィードバックを即座に取得できるため、次のようなことが可能になっています。

• 短い開発サイクル中に、より多くの疲労寿命設計案を検証

• 耐久性解析を使用して、大規模かつ複雑なシステムの性能をシミュレーション

• 環境に優しい軽量材料を使って製品の耐久性能を最適化

• 疲労試験をより深く理解して改善

Magneti Marelli Sistemi Sospensioniは、Simcenterポートフォリオの耐久性シミュレーション・ソリューションを使用することで、仮想の結果とテストベンチの結果を正確に相関させることができました。また、ポスト処理機能で、部品とアセンブリの寿命を予測するための有用な情報を取得できました。その結果Magneti Marelliは、物理プロトタイプを作成する前に、設計を最適化できるようになりました。

最終的にMagneti Marelli Sistemi Sospensioniは、「シミュレーションを使用することで製品の強度と耐久性が向上した」と結論付けました。

信頼性を提供

Magneti Marelli Sistemi Sospensioniのコンピューター支援エンジニアリング (CAE) およびイノベーション責任者、Andrea Santini氏は次のように述べています。「Simcenterソリューションを使用することで、初めてベンチテストの結果と正確に相関させることができました。」

「製品開発プロセスで、アルミニウム、鋳鉄、鋼を含む母材の疲労寿命予測と、アーク溶接、シーム溶接、スポット溶接の耐久性解析を使用しました。私たちにとってのSimcenterソリューションの最大の利点は、結果の信頼性です。」

さらにSantini氏は続けます。「Simcenterポートフォリオの耐久性シミュレーション・ソリューションは、Magneti Marelliの製品開発プロセスにうまく統合し、当社の作業を大きく変えています。」

Magneti Marelliのような企業にとって、「グリーン経済における競争力」は重要な関心事です。耐久性解析を実行することで、最も軽量の製品を相手先ブランド供給 (OEM) に提供して、自動車の重量、燃料、排出ガスを削減することができます。

自動車業界では「排出ガスの規制基準がさらに厳格化する」との懸念が高まっていますが、Magneti Marelliにとっては、これが「真の競争力」となります。

物理テストで合格

耐久性シミュレーション・ソリューションでは通常、シミュレーション値と実験測定値が一致し、最大2ミリメートルの薄いプレートの疲労を計算できます。 Santini氏は次のように語っています。「このソフトウェアは信頼性が高く、シーム溶接とスポット溶接がある部品の疲労を計算するうえで欠かせません。」

「Simcenterポートフォリオの耐久性シミュレーション・ソリューションは柔軟性が高く、当社の製品開発プロセスにうまく統合しているため、設計を最適化して初回の物理テストで確実にプロトタイプを合格させることができます。」