自己適応型加工を活用し、初回の製造プロセスから高い品質を達成

処理時間を短縮

Jiangyin Wilson Precision Equipment Co., Ltd. (以下Jiangyin Wilson) は、中国江蘇省に拠点を置くハイテク企業です。精密製造技術を開発し、中型/大型精密機械部品の鋳造、加工、組立を含む包括的なサービスを顧客に提供しています。製造戦略の一環として、インテリジェント処理/管理能力を継続的に改善し、40セットのコンピューター数値制御 (CNC) 機械を使用して複雑な構造の精度を高めています。NCプログラムを生成して処理時間を短縮するために、これらのCNC機械の多くには、高度なコンピューター支援設計 (CAD) およびコンピューター支援製造 (CAM) ソフトウェアが必要でした。

特に製品が多様化して機器の複雑さが増したときの製造品質と処理時間の改善は、Jiangyin Wilsonの長期目標の1つでした。そのためには、工作機械の稼働率を上げ、さらに高度な5軸CNC加工プロセスを導入して、加工時間を短縮する必要がありました。

このためJiangyin Wilsonは、ソフトウェア、ハードウェア、サービスのビジネス・プラットフォーム、Siemens Xceleratorに含まれるNX™ソフトウェアを生産プロセスに実装することにしました。Jiangyin Wilsonのプログラミング・プロセスは、NXを使用することですぐに改善しました。一方、多くの部品には、設計条件を満たすために定期的な調節が必要となる鋳造パートや溶接パートが含まれており、ワークブランクの許容値の一貫性を確保することができませんでした。このため、二次的な手動プログラミングが必要になることが多くなりました。Jiangyin Wilsonには、NXのパワーを最大限に引き出すために、NXに関する深い専門知識を提供してくれる専門家が必要でした。

専門知識を活用

Jiangyin Wilsonは、外部のパートナーと2年間協働しましたが、機械の稼働率とプログラミング効率は改善しませんでした。そこでシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、Jiangyin Wilsonに対して、NXソリューションでシーメンス・エキスパート・パートナーの地位を獲得しているShanghai Grace Field Information Technology Co., Ltd. (Shanghai Grace Field) との提携を勧めました。シーメンスは、シーメンスの1つの製品/ソリューションの専門知識を持ち、それを有効活用できる企業をシーメンス・エキスパート・パートナーとして認定しています。シーメンス・エキスパート・パートナーは、顧客とシーメンスにより、その優れたビジネス/技術的洞察力を認められた企業です。

Shanghai Grace Fieldは、Jiangyin Wilsonが抱えていた主要課題の1つである、「ワークブランクの許容値に一貫性がない」という問題にすぐに対応しました。つまり、自動記述されたプログラムを使用して個々のワークブランクを一致させることができなかったのですが、Shanghai Grace Fieldは、機械がワークブランクのプロパティを自動的に検出できれば、プロセスがはるかにスムーズになると考えました。そして、工作機械のプローブに自己適応型加工プロセスのルートを追加して、ワークブランクを検出することを推奨しました。Shanghai Grace FieldはJiangyin Wilsonに対し、このスポット測定プログラムをNXで記述して、手作業による点選択の必要性を低減し、準備と加工の時間を20%短縮する方法を示しました。

「NXソフトウェアの強力な二次開発と、Shanghai Grace Fieldチームによる効果的なアフターサービスのおかげで、当社が抱えていた問題は解決し、機械加工や生産プロセスに関する疑問も解消されました。」Jiangyin Wilsonの機械加工技術部門マネージャー、Chen Zijian氏はこのように述べています。「NXソフトウェアには強力なモジュール機能 (CAD/CAM/CAE) が含まれているため、他のソフトウェアへの投資を減らすことができます。」

作業負荷を50%低減

Jiangyin Wilsonは、Shanghai Grace FieldによるガイドとNXを活用して、製造プロセス全体に複数の改善を加えました。このソフトウェアを使えば、現在の座標系だけでなく、ツール・パラメーターやエラープルーフもすばやく入力できます。これにより、現在とワークブランク・ゼロ点の偏差判定とともに、品質要求を満たす製品の数が改善しました。不合格となる最終製品が減ったことで、Jiangyin Wilsonの作業負荷は50%低減しました。

「NXソフトウェアを導入して以来、管理効率、生産コスト、機械加工品質、安全性が大幅に改善しました。」とZijian氏は付け加えます。「当初、プログラミング・ソフトウェアはエンジニアが個人的に選択していましたが、今では全員がNXプログラミングを使用しているため、機械加工プログラムとツール・パラメーターの両方が標準化されています。」

コラボレーションを改善

また、NXのデータ共有機能により、ファイルのインポートやエクスポートが簡単に行えるようになったため、製造プロセスに関わる部門や個人のコラボレーションも向上しました。「プログラミング・ソフトウェアとポストプロセスが統合されているため、作業の引き継ぎがスムーズになり、プロセス・プログラマーの効率も向上しました。」とZijian氏は言います。

Jiangyin Wilsonは、競合が次々に参入する業界で競争力を維持するために、効率と製品品質を改善し続けています。Jiangyin WilsonはNXのサポート力に感銘を受けており、NXを使用してパフォーマンスを向上させる他の方法も追求しています。