Skip to Main Content
ユーザー事例

デジタライゼーションを推進する大手重機メーカー

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションを使用して、継続的な改善に必要な詳細を深堀したJCB

JCB

JCBは世界のトップ3に入る建設機械メーカーです。同社は家族経営でありながら、4つの大陸で約12,000人の従業員を擁し、2,000のディーラー拠点を通じて150か国で製品を販売しています。イノベーションで知られるJCBは、研究開発に多額の投資を行い、世界各地にトップクラスのエンジニアリング施設を有しています。同社は300以上の多彩な機械を製造し、比類のない顧客サービスに定評があります。

https://www.jcb.com
本社:
Rocester, United Kingdom
製品:
Geolus, NX, PLM Components, Teamcenter
業種:
重機

共有する

NXは非常に強力なツールであり、常に進化しています...
Richard Biddulph氏, スタジオ・マネージャー
JCB

ガレージからグローバル・ブランドへ

JCBは、その特徴的な黄色のローダーや掘削機、トラクターで、世界中で知られる名前になりました。明るいピンクでの注文も受け付けています。実際、あらゆるオペレーション要件と気候要件に適合するように、何千ものバリエーションが可能です。

JCBは1945年にガレージで創業した家族経営の企業で、現在は12,000人の従業員と、2,000を超えるディーラーを擁しています。150か国以上で300もの多彩な製品を販売し、年間50〜60の製品アップデートを投入しています。JCBが成功し続けるうえで重要な役割を果たしているのが、製品ライフサイクル管理 (PLM) のスペシャリストであるシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのTeamcenter®ソフトウェアとNX™ソフトウェアです。

正確でアクセス可能なデジタル情報

新製品の開発に専念するJCBのイノベーション・スタジオでは、研究者や設計者、人間工学の専門家が、健全性と安全性、ドライバーの快適性、機能性、信頼性、燃料効率、メンテナンス・コストなどの問題に取り組んでいます。イノベーション・スタジオは、部品設計にNXを使用するエンジニアリング・チームとともに設計反復を重ねます。コンセプト設計が承認された後は、Teamcenterがすべてのデータのリリースを管理し、部品表 (BOM) を生成します。

JCBでエンジニアリング・プログラムのゼネラル・マネージャーを務めるPhil Layton氏は、次のように述べています。「Teamcenterは当社の開発プロセスのバックボーンとして、エンジニアリングや製造、流通、サービスとイノベーション・スタジオを接続しています。Teamcenterを活用することで、グループ全体で標準化とコミュニケーションが進み、効率性とスピードが実現しています。一方で私たちは常に、システムとプロセスがグローバルな事業をサポートする仕組み、特に製品を構成する方法の改善を目指しています。」

また、エンジニアリング・システムの責任者であるAndrew Lodge氏は、次のように語っています。「私たちは付加価値のない作業を減らすことを目標にしています。「既存の部品を再利用できるのに部品を新たに設計する作業」をなくすことがその一例です。既存部品の名前やコード、保存方法が時に間違っていたことが判明しました。さまざまなチームが重要な統計情報の一部を、部署内のスプレッドシートに保存してきたことが、その一因です。こうしたスプレッドシートはスタイルに一貫性がないだけでなく、非常に複雑になりがちでした。」

JCBがまずすべきことは、ばらばらにサイロ化した情報をまとめて部品の再利用を容易にし、より効率的な製品コンフィギュレーターを開発して、パフォーマンスの監視を改善することでした。JCBは、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアと緊密に連携して、これら3つの分野に注力してきました。

正確でアクセス可能なデジタル情報

部品を簡単かつ迅速に再利用

Lodge氏は次のように説明します。「毎年製造する部品の12%はまったく新しいものですが、部品の再利用を増やしてこの割合を5%に減らすことを目指しています。既存の部品をより簡単に見つける機能が重要であり、オンライン・ショッピングのような検索機能を提供するツールが必要でした。私たちは、言語がシンプルで、一貫した命名が可能なグローバル・ソリューションを探していました。そこで、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの3Dジオメトリ検索エンジンであるGeolusを迷わずに選択しました。」

JCBの新製品導入プロセスに関与するユーザーは全員、新規部品の設計に着手する前に、Geolus®ソフトウェアで形状を検索して、同様の部品がすでに作成されていないかを確認できるようになりました。この機能は、CAD以外のユーザーも使用します。Geolusは同社のすべてのシステムとプロセスに組み込まれ、再利用状況の監視と冗長部品の段階的廃止に役立っています。Lodge氏は、次のように言います。「この形状検索ツールによって、サイズと形状が共通または類似した部品を非常に迅速に特定できます。膨大なデータベースを探し回る必要はありません。

Geolusの形状検索は、部品の迅速な検索と、既存のコンポーネントの再設計、再利用に大いに役立っています。」

JCBは新製品開発の確立された手順にGeolusの使用を組み込むことで、ユーザーの習得を促す仕組みを整えています。Lodge氏はさらに、次のように述べました。「Geolusは、部品の重量とサイズがわかる検索可能な店舗として立ち上げました。これに画像やテスト結果、性能レビューを追加して、すべて1ページに収まるように改善しています。ユーザーは、Geolusの形状検索ツールセットを使用したことを申告し、自身の再利用レベルを報告することが求められています。Teamcenterのレポートとデータ解析機能によって、部品の再利用に関する、信頼性の高い統計が得られます。」

部品を簡単かつ迅速に再利用

効率的な製品コンフィギュレーターの開発

20万もの製品バリエーションを提供可能なJCBにとって、製品構成は非常に複雑なプロセスです。従来、構成は多数のスプレッドシートを使用して行われ、1人の中心的なオペレーターによる慎重な管理が必要でした。異なる部品を手作業で指定する方法では、すべてを組み立てたときに発生するかもしれない問題を特定できませんでした。また、寒冷地向けや、ガラスのないオープン・キャビンに、エアコンを指定してしまうなどの単純ミスを簡単にチェックする方法もありませんでした。

このような問題は、JCBの持つすべての製品オプションとバリエーションに関する広範なノウハウに、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのコンサルタントの技術的専門知識を融合させて、Teamcenter製品コンフィギュレーターを導入する良い機会となりました。これは、すべての可能な製品オプションとバリエーションを1か所にまとめ、製品シリーズまたはファミリーごとに600%のBOMに相当するものを作成し、特定の製品注文のバリエーションを構成するために必要なすべてのアイテムを正確に選択できるようにするツールです。

Lodge氏は、次のように述べています。「事業部門間でビルドを共通化し、構成とバリエーションをはるかに簡単に管理できるようになります。これにより、製造現場に到着する前にバリエーションとビルドをチェックして検証できます。」

効率的な製品コンフィギュレーターの開発

レポートとデータ解析による明確な把握

Lodge氏は、次のように説明しています。「私たちはすべての情報を持っていますが、それがどこにあり、どのようにTeamcenterに移行するかを検討しているところです。当社には、広範で労働集約的なレガシーデータをTeamcenterに移行するための明確なロードマップがあります。全員が同じことを行うようになれば、レポート作成はより簡単かつ迅速になるでしょう。お互いから学び合い、すばやく対応できるようになります。グローバルに問題と対策を追跡し、Geolusを使って調査が必要な部品を特定して共通の原因を突き止め、Teamcenterを通じて結果を共有できます。」

レポートとデータ解析による明確な把握

コラボレーションがサポートする継続的な改善

Lodge氏は、次のように語っています。「シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは当社にとって、商品のサプライヤーではなく、パートナーです。両社は長期にわたって品質の向上にフォーカスする関係を築いています。JCB全体でTeamcenterの利用は徐々に拡大しており、各チームはシーメンスのPLMツールを更に有効活用する方法を検討しています。」

開発全体を通してデジタルツインを包括的に使用することで、特にイノベーション・スタジオにおける継続的な改善が可能になります。工業デザインのグループ責任者であるBen Watson氏は、次のように述べています。「すべてのメーカーにとっての課題は、ツーリングに進む前に設計に信頼を持てるようにすることです。私たちは常に信頼性を高める方法を追究しており、製品のサイズと操作感を、掘削機が土を掘る感覚に至るまで理解できるバーチャル・リアリティ (VR) ツールを、しばらく前から検討してきました。」

スタジオ・マネージャーのRichard Biddulph氏は、次のように付け加えています。「NXは非常に強力なツールであり、常に進化しています。私たちはエンジニアリングとのコミュニケーションに、より多くの視覚化ツールを使用することを検討しています。例えば、エンジニアリング・データをVRに取り込み、自由に動かせたなら、手に取るようによく理解できるでしょう。」

「デジタライゼーションにより、設計プロセスのはるかに早い段階でエラーを発見し、設計を検証できるようになります。」とLodge氏は言います。最高情報責任者 (CIO) のStuart Hughes氏は、次のように結論付けています。「JCBはイノベーションと長期的な展望で知られています。各チームが作業慣行を自分のものにし、運用、強化できるようにすることで、会社として改善が継続します。シーメンスのPLMプラットフォームは、私たちの未来の基盤となっています。」

Geolusは、部品の迅速な検索と、既存のコンポーネントの再設計、再利用に大いに役立ちます。
Andrew Lodge氏, エンジニアリング・システム責任者
JCB