シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションでエンジニアリング開発時間を60%短縮したEIGSA

エネルギー産業向けプロセス機器の主要サプライヤー

Equipos Industriales del Golfo, S.A. (EIGSA) は、圧力容器、熱交換器、空気冷却器、ガス分離器の設計、製造、保守、設置を専門とするメキシコの会社です。1988年の設立当初は、主に空気冷却器や熱交換器など、プロセス機器の修理を中心に事業を進めていました。1996年に事業範囲を拡大し、機器の熱設計から、機械設計、詳細設計、完全な製造まで担うようになりました。

EIGSAのビジョンは、研究開発を通じて技術的に高度なソリューションを競争力ある価格で提供し、メキシコのエネルギー産業用プロセス機器の設計と供給においてリーダーシップを維持することです。同社の主な顧客は、国営石油会社のPetróleos Mexicanos (PEMEX) と国営電力会社のComisión Federal de Electricidad (CFE) です。特にPEMEXとは、石油化学、精製、探査・生産、二次石油化学など、PEMEXのすべての事業分野で協業しています。ここ5年間は、EIGSAは海上石油施設で使用されるプロセス機器の開発など、探査と生産活動に重点を置いています。

EIGSAはまた、ICA Flour、McDermott、Cameron、Schlumberger、Cotemar、Avantia、Demarなど、石油、ガス、プロセス産業向けの主要なエンジニアリング、調達、建設 (EPC) 会社にも機器とサービスを提供しています。

サイクルタイムを短縮

事業が拡大するにつれて、EIGSAは、特殊なプロセス機器の設計、調達、建設を効率化し、サイクルタイムの短縮を目指しました。目標は、製造におけるエラーを減らし、顧客応答時間を改善することでした。「公共部門の事業に入札するには、契約やリース、サービスに関する各種の法令を順守しなければならず、限られた時間内にさまざまなことを進める必要があるため、応答時間の短縮は非常に重要です。」と、EIGSAの最高執行責任者、Gerardo Espinosa Bravo氏は説明します。

この目的を果たすためにEIGSAは、設計、解析、製造の最先端技術ソリューションを検討し始めました。EIGSAは、複数のベンダーの製品を比較した結果、製品ライフサイクル管理 (PLM) のスペシャリストであるシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアを選びました。

EIGSAがシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアを選んだ理由はいくつかありました。シーメンスは、設計から製造にいたるプロセス全体に対応する完全な統合ソリューション・スイートを提供しているだけでなく、アプリケーションも拡張・縮小が自在なため、必要に応じた投資を行い、プロジェクトのニーズに合わせてシステムを拡張することができる点です。さらにEIGSAは、3Dソリューションに広く使用されているジオメトリ・エンジンであるParasolid®ソフトウェアをシーメンスが所有・開発している点も高く評価しました。

EIGSAはまず、設計エンジニアリング・チームにSolid Edge®を導入し、その後さらに詳細エンジニアリングと製造チームにもその使用を広げました。「当初は、Solid Edgeのライセンスを1つだけ使用していましたが、今ではその数は14ライセンスに増えています。さらに、NXとSimcenter Nastranのソリューションも導入した結果、エンジニアリング開発のサイクルタイムを60%短縮することができました。」と、Espinosa Bravo氏は話します。

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションには、EIGSAの開発プロセスに特に役立つ機能があります。その一つが溶接設計機能です。この機能を使ってエンジニアは溶接に使用する材料や機械を考慮しながら溶接の位置をマッピングすることができます。溶接マップは、製造プロセスの視覚化に役立つほか、品質管理者が品質記録に必要なドキュメントを作成するのにも役立ちます。

解析スキルと作業時間の大幅短縮

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションには、高度なCAE (コンピューター支援エンジニアリング) ツールが含まれています。EIGSAは、機器設計の構造性能を検証するために、有限要素解析 (FEA) シミュレーションを実施しました。解析と3D設計の活用により、パフォーマンスと品質が向上し、物理的なプロトタイピングへの依存度が軽減し、顧客応答時間が20%向上しました。

トレーニングとサポートも重要な鍵

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、ソリューションとアプリケーションを提供するだけでなく、EIGSAの全従業員にコンサルティングとトレーニング・コースも提供して、全員がソフトウェア・プラットフォームのメリットを最大限に活用できるようにしています。このトレーニングにより、EIGSAは解析に費やす時間を増やし、継続的な改善プロセスを築くことができたことで、部品コストの大幅な削減と、機器の大幅な軽量化に成功しました。

このトレーニング・プログラムは、EIGSAの従業員が専門能力を習得し、最先端技術を学ぶことで、より高い競争力や新たなスキルを身につけるのに役立ちました。

NXで成功をつかむ

2年前、EIGSAはライカの高度な3Dレーザー・スキャナーを購入しました。このスキャナーを使うことで、特に、機器や配管、構造物、その他のコンポーネントのモデリングを合理化するための点群データを迅速に取得できるようになりました。点群データは、NX™ソフトウェアに直接取り込んで編集し、製品開発に役立てることができます。

EIGSAは、産業施設に3Dスキャナー・ツールを活用している先駆的な企業です。大規模な建設プロジェクトで、スキャンデータとNXを活用することで、建設現場の要件に基づいて設備を設計して組み立て、誤差わずか1mmで施工計画を立てることができます。

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションを使うことで、EIGSAは顧客により良いサービスを提供し、顧客とよりスムーズに情報交換できます。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションは、業界で広く使用されている他のソフトウェアのファイルも読み取れるため、EIGSAは有限要素シミュレーションや、3Dスキャン技術、3D視覚化、その他のタスクを容易に実施して、顧客により良いサービスを提供できます。

「シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションを活用することで、当社は最新の設計ツールを備えて、お客様に高性能なソリューションを提供することができています。また、国際的に最高水準の品質を達成できているのも、シーメンスのソリューションのおかげです。」と、Espinosa Bravo氏は話します。