Deoleo、Opcenterを活用し、プロセスを統合して手入力を廃止することで市場投入期間を短縮
Deoleoブランドは、品質へのこだわりとオリーブオイルの豊かな歴史を守ることで、一般に知られるようになりました。この伝統と未来へのビジョンを融合させているところがDeoleoの特色です。業界をリードする立ち位置と象徴的な製品を通じて、人々と地球の健康のために価値を提供しています。
1955年にスペインのビルバオでArana Maderas, S.A.として設立されたDeoleoは、今日では世界最大のオリーブオイル製品のボトラーとして、Bertolli、Carapelli、 Carbonell、Koipe、Figaroといったブランドを販売しています。Deoleoは、古き良き時代の伝統と品質を受け継ぎ、農家やサプライヤー、彼らが頼る土地を守る持続可能性戦略を通じて、責任あるビジネス慣行を率先して行っています。
また、長期的なリーダーシップと持続可能性の目標を達成するには、経済的な効率性が必要であることも認識しています。Deoleoの革新的なデジタル製造慣行は、品質、効率、トレーサビリティ、健康など、あらゆる面で業界の基準を引き上げています。Deoleoの目標は、スペインとイタリアで販売するすべてのトップブランドが、厳格な持続可能性プロトコルを満たして認証されるようにすることです。
小売店や消費者に向けて、オリーブの収穫日やオイルの瓶詰め日を伝える、透明性の高いパッケージが特徴です。こうした慣行により、Deoleoの製品は厳しい基準を満たしています。
Deoleoは、「会社のあらゆる意思決定の中心に消費者を据えること」に価値を置きます。リーダーとしての地位を堅持しつつ、「デジタライゼーションは業界の未来だ」と提唱しています。また、製造手法のイノベーションがお客様の信頼を維持するために重要だと考えています。
今日、デジタル・トランスフォーメーションは、その目的を達成するために欠かせません。Deoleoはグローバルに事業を展開しているため、そのプロセスには膨大な量のデータが集まりますが、同社の厳格な品質基準を維持するには、確実な精度が必要です。こうした情報を管理することは、デジタル製造のサポートなしでは不可能です。
Deoleoの最高品質責任者、Rafael Pérez de Toro氏は次のように述べています。「当社の持続可能性戦略と製造目標を達成するには、バリューチェーン全体で発生する膨大な数の変数を管理する効果的なデジタル・システムが必要です。Opcenterを使用して生産をデジタル化することで、敏捷性と効率を高めるとともに、
リソース管理を制御して透明なコミュニケーションを進めながら、コストを削減してトレーサビリティを保証することができます。」
Deoleoは、成功を収めるために、デジタル製造のパートナーとして、業界のリーダーであるシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアを選びました。de Toro氏は言います。「シーメンスなら、ワールドクラスのパートナーとして、比類のないレベルのサポート、価値、ノウハウ、機能を提供してくれると考えました。さらに、導入プロバイダーには、その経験と実績を考慮して、シーメンスのパートナーでもあるSothisを選びました。
この選択が成功の決め手となりました。」
Deoleoは、デジタル製造のためのソフトウェア、Opcenter™ Execution Processを使用しています。Opcenter Execution Processは、大手消費財メーカー、食品・飲料メーカー、化学メーカーで採用されている製造実行システム (MES) です。シーメンスの包括的なソフトウェア、ハードウェア、サービス統合ポートフォリオ、Siemens Xceleratorに含まれるOpcenter Execution Processは、製造効率と柔軟性を改善しながら最高の品質基準を提供します。
Opcenter Execution Processの機能は、垂直統合、プロセス・オーケストレーション、系統データ、および生産レポートなど、材料入庫から生産、出庫まで、製造プロセス全体をエンドツーエンドで網羅しています。サンプリング、解析、品質結果の評価を製造イベントにシームレスにつないで品質を統合的に管理します。
Opcenter Execution Processを製造オペレーション管理 (MOM) プラットフォームとして使用することで、スケジューリング、品質、製造インテリジェンスとシームレスに統合し、インタラクティブなダッシュボードで生産データを解析します。新製品の開発・導入 (NPI) の際にはOpcenter Execution Processを使用し、オーダーのスケジューリングや実行に備えて、レシピを「一般」仕様から詳細な「マスター」指示へと変換できます。
アルコリア工場長、Maria del Mar García Caparros氏は次のように述べています。「Opcenterは、アルコリア工場に到着したタンクの制御から始まる広範なワークフローを網羅します。計量、管理、アンローディング、製造するブレンドの定義に応じたタンク間のラッキングの制御、フィルタリング、パッケージング・システムとの接続にまで及びます。
このプロセスは、品質、原産地、サプライヤーなどに基づいてオイルを管理するために品質部門が確立した、さまざまな制御やルールと統合されています。」
Deoleoの導入パートナー、Sothisは、シーメンスMES/MOMポートフォリオ・プロジェクトの導入を手掛ける代表的な企業です。スペインの食品・飲料業界初のシーメンス認定パートナーです。世界中でOpcenterのプロジェクトを実行した豊富な知識と経験を持つSothisを選んだことは、Deoleoにとって自然なことでした。Sothisは、シーメンスのプレミアム・ソリューション・パートナーとして、モノのインターネット (IoT) クラウド・ソリューションの導入や、シーメンスの代表的な開発ソリューション、Mendix™ローコード・プラットフォームの販売も手掛けています。
Opcenterを使用することでDeoleoは、オリーブオイルの管理プロセスと品質管理を接続できるようになりました。Opcenterを使用すれば、単一のツールで、倉庫管理と品質管理を構成するすべてのプロセスをデジタル化できます。日常のオペレーションからグローバル・データの解析まで、多くの機能を活用することができます。
Deoleoは、調製/処方製品のデータ管理を効率化、最適化、調整するプラットフォームとして、Opcenter RD&L (Research, Development and Laboratory) を使用しています。Opcenter RD&Lを使用して、製品設計とプロセスを品質要件と規制要件に準拠させます。R&Dと製造のデータ、プロセスを統合して連携させることで、最終製品の設計を製造に受け渡すスピードを劇的に高めます。
Opcenter RD&Lは、規制遵守や知的財産 (IP) プロセスのサポートなどの主要機能を備えています。プロジェクト・データ管理、
処方開発、試験・実験管理、生産プロセス設計など、ラボで通常行う作業では、電子ノートブック、ラボ管理、仕様管理、サプライヤー・コラボレーション、パイロット・プラント製造などの機能を統合した最高水準のコンポーネント・セットを使用します。
Laboratory Information Management System (LIMS) ソリューションの機能
Deoleoは、Opcenter Laboratoryを使用して、タンクの受け入れから最終製品のパッケージングまでのすべてのプロセスで、データとコミュニケーションを一元化しています。Opcenter Laboratoryは、あらゆる手順を統合して、タンクに排出する前のサンプルの解析を容易にし、解析レポートを提供します。自動認証を生成して品質とトレーサビリティを確保し、制御を最適化します。
LIMSとMESのデジタル化は、確立された品質管理プロセスや計画を厳格に実行し、食品安全を保証するための鍵です。同時にシステムは、オリーブの木から消費者の食卓に至る製品のバリュー・チェーンの全段階を記録することで、顧客に透明性を提供します。
del Mar García Caparros氏は次のように語っています。「Opcenter Laboratoryを導入したことで、オリーブオイルのトレーサビリティを容易にするツールが得られました。」従業員による手入力が不要になり、ミスが減って所要時間も短縮しています。
「法規制で要求される法的・内部的なレベルを設定してその情報をすべて保存し、その後、事前設定されたレポートを通じてシンプルな方法で追跡できます。ラボのスタッフの作業を整理することや、ラボの測定機器から直接解析データを回収することも容易になります。また、ツールから分析証明書を直接生成して発行することも可能です。」
さらにOpcenter LaboratoryはSAPと統合し、購入モジュールへの情報送信にも使用されます。これでオリーブオイルの購入プロセスがつながり、部門間の作業やコミュニケーションが最適化します。
持続可能なビジネスを一から構築するには、それがどのようなもので、そこにどのように到達するのかを示す、しっかりとした青写真が必要です。そこでDeoleoは「2030年に向けた持続可能性戦略」を打ち出し、持続可能な責任ある手法でオリーブオイルを生産することを目指して、強気の目標を設定しました。
de Toro氏は言います。「デジタライゼーションによって、当社のビジネスはより持続可能なものとなります。デジタライゼーションを通じて、紙ベースのプロセスで消費される紙、インク、エネルギーを削減し、環境フットプリントを減らして「廃棄ゼロ」の目標を達成します。また、手動プロセスのミスにより生ずる他のリソースの無駄も削減できます。」
Deoleoは、持続可能性の改善で大きな実績をあげています。継続的な取り組みにより、2021年には2020年比でスコープ1と2の二酸化炭素 (CO2) 排出量を1,002トン削減し、濃色ガラスボトルの材料の60%をリサイクルしています。その実績からDeoleoは、EcoVadisの持続可能性調査において、スコア67を取得し、「ゴールド」メダルを獲得しました。
デジタライゼーションによって、Deoleoは市場投入期間を短縮できました。部門間のプロセスやコミュニケーションの統合、
ドキュメント管理の合理化により、ボトリング前の各生産段階の間の時間が短縮しました。こうした強化を行えば、競争優位を確立して、将来も市場をリードし続けることが可能になります。
同時に、リソースを最適化することで、会社のコアバリューである「地球を尊重するマネジメント」が実現します。Deoleoは、財務効率を向上させて、持続可能性への取り組みを進めるための投資を継続しています。古き良き時代の伝統を守りながら、最新のイノベーションを活用して、未来の基準を設定しています。