Preactor APSによる産業プロセスのデジタライゼーションで、Chocolates Valorの製造プランニング工程を合理化...
Chocolates Valor S.A.は、プラリネチョコレートを中心とした高品質の板チョコレートとチョコレート菓子のメーカーです。砂糖不使用のものから高カカオの板チョコレート、チョコレートドリンク用粉末の分野でスペイン国内市場をリードしています。
1881年創業のChocolates Valor S.A.は、高品質の板チョコレートとチョコレート菓子を製造するスペイン屈指のメーカーとして、砂糖不使用の板チョコレート、高カカオ商品、チョコレートドリンク用粉末といった分野をリードしています。高い知名度を誇るスペイン国内での販売に加え、60か国以上でも事業を展開しています。独自に厳選した最高品質の原材料にこだわり、既成のココアペーストに頼らない製法を貫いています。また、カカオ豆の焙煎・粉砕から、ブレンド、磨砕・精製、最終的な成型までをスペインの自社工場で手掛ける「ビーントゥバー」の手法を導入し、カカオ豆の収穫時から最終的な板チョコレートの完成まで、全工程のトレーサビリティーを実現しました。
Chocolates Valorは、現在、合わせて65,000平方フィートの敷地面積を誇る最先端の製造拠点が2か所あり、年間で約21,000トンのチョコレート製品を製造しています。商品の販売は、スペイン全土に張り巡らされた33店舗を通じて行います。高品質のチョコレート製品を作り続けてきた長い伝統と、卓越性を追求する製造戦略こそが同社の大きな強みです。
Chocolates Valorにとってデジタル化が重要である理由は、すぐに使える正確な情報にアクセスすることで、意思決定と優先順位付けのプロセスを簡素化するためです。Chocolates Valorでサプライチェーン担当マネージャーを務めるJordi Barbero氏はこう述べています。「すべてのプロセスで高度な標準化を進める必要がありました。そのうえで、スタッフが適切な研修を受ければ、それほど時間がかからずに成果が見えてくると信じていました。」
カカオ豆からチョコレートを作り上げ、最終的に包装するまでのすべての工程を自社で手掛けているChocolates Valorにとっては、製造プロセスが非常に重要です。このため、生産工場から得られる全情報をリアルタイムで完全に制御できるシステムに加え、より柔軟な意思決定プロセスを提供するとともに、製造プロセスを最適化する適切なツールが必要でした。
Preactor APSソフトウェアを導入する以前は、SAP®エンタープライズ・リソース・プランニング (ERP) ソリューションの情報をMicrosoft Excelスプレッドシート形式で管理していました。この方法は、生産工場からのデータ取り込みに多くの時間とリソースが必要です。その割りに得られる情報は不正確であったため、柔軟で効果的な意思決定プロセスには生かせませんでした。製造プロセス間の関係性も見えにくく、サプライチェーン全体の透明性の確保も困難です。
Chocolates Valorにとっては製造プロセスが何よりも重要です。「我々の製造プロセスは、最終的なチョコレート製品の品質を最大限に高めます。」とBarbero氏は語ります。同社は、製造環境をデジタライゼーションするためのソリューションに投資することを決め、具体的には、より高いレベルの可視性と制御が可能な製造プランニングおよびプログラミング製品であるPreactor APSを導入して、製造プロセスを同期化しました。Barbero氏は続けます。「製造プロセスの柔軟性と精度を高めるため、Preactor APSソリューションを選びました。」
Chocolates Valorの工場では、世界的に有名なシーメンスのオートメーションシステムを既に導入しており、Preactor APSであれば統合が可能な点も理由の1つです。新しいツールの導入にあたり、準備と研修に2週間を費やしました。
Preactor APSを導入したことで、機能面で大きな優位性を得られました。製造指示のシーケンスを高速化し、製造プランニングの精度を高めることができたのです。また、製造マスタープランのアップデート処理も合理化され、部門間の連携が取りやすくなりました。
工数の面でも、目に見える成果が出ています。Barbero氏はこのように述べています。「Preactor APSのおかげで、生産順序計画の工数を1週あたり16時間削減できたほか、サービスレベルでも成果が出ており、2年前は97.8%だったサービスレベルが現在は98.5%です。」
Chocolates Valorは、工場のさらなるデジタライゼーションを戦略目標の1つとして位置づけています。主な目標は、サプライチェーン全体でデータをリアルタイム可視化することで、組織全体にさらに柔軟性をもたらすことです。プロセスの効率化だけは不十分だと同社は考えています。柔軟な組織体制も必要であり、そのために大きな役割を果たすのがデジタライゼーションです。