ユーザー事例

多数のプラントにわたるプロセス計画を、Webベースのオープンで使いやすいソリューションを活用して標準化

Teamcenter Easy Planを使用して計画効率の向上率が2桁台に達したBSH Home Appliances

BSH Home Appliances

BSH Home Appliancesは、業界のグローバル・リーダーです。同社のポートフォリオには、ボッシュ、シーメンス、Gaggenau、Neffなどの有名な家電ブランドや、エコシステムのHome Connect、Kitchen Storiesなどのサービス・ブランドが含まれます。約50か国に拠点を置くBSHは、ボッシュのグループ企業です。

https://www.bsh-group.com/

本社:
ミュンヘン, Germany
製品:
Teamcenter, Tecnomatix
業種:
コンシューマー製品 / リテール

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最終的に、私たちは一つの真実に到達しました。当社の全体目標がクローズドループ製造であることを考慮すると、シーメンスのソフトウェアをベースとするBSHのデジタル・ファクトリー・ソリューションは、未来に向けての正しい解決策です。
Philipp Winter氏, グローバル・デジタル・サービス部門 ITビジネス・コンサルタント, BSHデジタル・ファクトリー事業

絶え間ない適応

BSH Home Appliances (BSH) は世界最大級の家電メーカーであり、ヨーロッパではナンバーワンです。BSHは、ボッシュ、シーメンス、NEFF、Gaggenauなどの評価の高い有名ブランド向けに、冷蔵庫、洗濯機、食洗機、IHクッキング・ヒーター、コードレス掃除機、エスプレッソ・マシンなどを製造しています。同社はまた、Home Connectエコシステムなど、さまざまな革新的なデジタル・サービスを提供し、消費者がスマート家電を最大限に活用できるようにしています。

世界全体で62,000人の従業員と40の工場を擁し、世界規模で何百もの製品バリエーションを持つ大規模なポートフォリオを管理しています。洗濯機のみを製造する工場から、ドイツのギーンゲンにある、ビルトインの冷蔵庫と冷凍庫のみを製造する工場まで、さまざまです。他の拠点では、エスプレッソ・マシンやコードレス掃除機などの革新的な小型家電に焦点を当てています。ほとんどの場合、40の工場それぞれが複数のブランドの製品バリエーションを製造しています。

BSHデジタル・ファクトリー事業グローバル・デジタル・サービス部門で ITビジネス・コンサルタントを務めるPhilipp Winter氏は、次のように話します。「数百以上の製品がある生産ラインを想像してみてください。当社の生産ラインは絶え間なく適応する必要があり、ライン・オペレーターやプランナーもそれは同じです。」

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膨大なバリエーション

シーメンスのビルトイン冷蔵庫モデルが25種類、トレイのデザインが異なるボッシュのモデルが25種類、さらに他のブランドのさまざまなモデルが、すべて同じライン上にあるとしましょう。あるいは、消費者のタイプごとに、ポートフォリオにある、微妙に異なるスマート洗濯機のモデルを作るロボット製造ラインでもよいでしょう。このように複雑な生産プロセスを世界規模で計画するには、どこから着手したらよいものか、想像もつきません。

BSHは、Teamcenter®ソフトウェアを使用して製品開発データベース全体を実行しています。2015年に、このデータベースをすべての製造データと計画データに拡張し、TeamcenterとTecnomatix®ソリューション・スイートをデジタル・ファクトリー・エコシステムに統合しました。TeamcenterとTecnomatixは、ソフトウェア、ハードウェア、サービスのSiemens Xceleratorビジネス・プラットフォームに含まれています。現在、現地の生産技術エンジニアやプランナーは、Teamcenter Easy Plan、Tecnomatix Process Simulate、およびNX Line Designerのツールにアクセスできます。BSHはこれらのツールにより、世界に点在するプラントの生産ラインを計画および最適化して、複雑な製品バリエーション体系や、ライン・バランシング、生産性と生産効率、人間の健康と安全の問題、ロボット、さらには協働ロボット (コボット) のパフォーマンスを最大化できます。また、BHSの生産技術エンジニアは、立ち上げ時間を33%短縮することができました。

Winter氏は次のように述べています。「ある時点で限界に達し、こうした製造の複雑さに立ち向える、特別なソフトウェアが必要になります。当社は長年にわたり、Siemens Xceleratorビジネス・プラットフォームのデジタル・マニュファクチャリング・ソリューションを活用してきました。これにより、当社工場エコシステムの高精度なデジタルツインが実現しました。このたび、当社にとって最新の計画ソフトウェアであるEasy Planを追加し、生産ラインのライン・バランシングと時間管理をすべて行います。

革新的、直感的、しかも簡単

複雑なプロセスを計画できるTeamcenter Easy Planのユーザー・エクスペリエンス (UX) は、賞を受けています。Easy Planという名前が示すように、使いやすいように設計された、Webベースのオープンなソリューションです。世界中のBSH工場の生産監督者や、ライン・プランナー、オペレーターは、モバイル端末や、タブレット
、または生産ラインのタッチスクリーンから、タスクベースのインターフェースを介してTeamcenter内の重要なデータにアクセスできます。ボタンをクリックするだけで、全体的な計画から、ライン・バランシング、作業指示書の作成まで、タスクを簡単に切り替えることができます。

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カスタマイズへの対応

BSHのライン・プランナーとライン・オペレーターは、必要なTeamcenter情報をアクセスしやすい形式で正確に見出せるだけでなく、カスタム・ユースケースに対応するようにEasy Planを設定できます。

Winter氏の説明では、「2017年にTeamcenter Easy Planへの移行を決定したとき、シーメンスだけでなく、時間管理の面でMTM Associationとも戦略的パートナーシップを結びました。TiConを統合したEasy Planは、当社のプラント計画をさらに前進させてくれます。Easy Planは当社のプランナーとオペレーター、および彼ら独自のユースケースに非常に適したツールです。プロセスを最適化して、最終的により良い製品が完成します。」とのことです。

Easy Planを使用することで、計画効率の向上率が2桁台に達しました。

もう1つの明らかな利点として、生産現場での時間管理の点で、TeamcenterへのTiConの統合がありました。MTM業界標準に基づくTiConは、1人が特定の種類のタスクを生産ラインで責任を持って完了するのにかかる時間を計算しなければない生産技術エンジニアやプランナーにとって、不可欠なプロセスツールです。TiConは、作業測定のグローバル・スタンダードである特定のMTM (Methods-Time-Measurement) ベースの標準に従っています。

実際のラインでは

Sacha Weckend氏は、ドイツのギーンゲン工場でEasy Planの導入を担当する生産技術エンジニアです。生産ラインを監督し、ソフトウェアによってすべての従業員が毎日スムーズに作業できるようにしています。彼はProcess Designerでの経験に基づき、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの開発チームと話し合い、緊密に連携して、ギーンゲン工場でのEasy Planの要件を決定しました。
テストと導入も担当しました。現在、彼は従業員のトレーニングと、現場でのEasy Planの本格展開の完了に携わっています。

Weckend氏は次のように話しています。「われわれの組み立てラインには定められたサイクルタイムがあります。各ワークステーションについて、最適な量の作業内容を見つけようと努力しています。

Easy Planはすぐに習得できますので、新しい従業員や、研修生、学生のトレーニングは簡単です。ユーザー・インターフェースは非常に直感的です。インターネット・ブラウザを使用したことがある人なら、Easy Planでどこをクリックすべきかがわかります。Easy Planはとても使いやすく、これが非常にシームレスに導入できた理由だと思います。」

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グローバルへの展開

Teamcenter製品ライフサイクル
管理 (PLM) バックボーンとシーメンスのデジタル・マニュファクチャリング・ソリューションを含むSiemens Xceleratorビジネス・プラットフォームにより、製品
開発と製造が直接つながっています。BSHの工場のすべての設計者、開発エンジニア、調達スペシャリスト、プランナー、生産技術エンジニアは、Teamcenterを介して同じデータとアセンブリ・ツリーにアクセスできます。BSHは生産と工場の計画に関し、主にプラントごとにデジタル・ファクトリー・プロセスを処理しています。一部のプラントは高度に自動化されており、Process Simulateで高度なロボットやコボットのシミュレーション用のさまざまなプラグインを実行しているところもありますが、他のプラントでは今でもLine Designerで従来型ラインの計画を作成しています。
いずれの場合も、TeamcenterとTecnomatixソリューションは、最大限の柔軟性があります。

Winter氏は、「当社には、シーメンスのデジタル・マニュファクチャリング・ポートフォリオ全体が揃っているといえます。プロセスを開始する際は、Line Designerを使用してラインを設計します。別のプラントの上級ユーザーが、人間やロボットのシミュレーションにProcess Simulateを使用することもあります。そして、Easy Planはまさに日常的に使用するビジネスツールです。素晴らしいのは、このデータをTeamcenterで再生し、別の時間と場所で再利用できることです。これにより、立ち上げ時間を短縮し、非常に効率的な自動化プロセスも実現できます。

最終的に、われわれは1つの真実に到達しました。当社の全体目標がクローズドループ製造であることを考慮すると、シーメンスのソフトウェアをベースとするBSHのデジタル・ファクトリー・ソリューションは、未来に向けての正しい解決策です。」と語りました。

2022年夏、BSHはEasy Planの世界40工場への展開の途中でした。これは会社全体の新しい標準であり、世界中で200人以上のエンジニアとプランナーが使用することになります。

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TiConを統合したEasy Planは、当社のプラント計画をさらに前進させてくれます。Easy Planは当社のプランナーとオペレーター、および彼ら独自のユースケースに非常に適したツールです。プロセスを最適化して、最終的により良い製品が完成します。
Philipp Winter氏, グローバル・デジタル・サービス部門 ITビジネス・コンサルタント, BSHデジタル・ファクトリー事業