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Agfa Graphics、Simcenter SCADAS XSによって振動の調査と機械の動的挙動の検証の効率を向上

Agfa Graphicsは、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの試験ソリューションを活用して、振動を低減し、世界中の顧客に最高品質の印刷版を提供しています。

Agfa Graphics、Simcenter SCADAS XSによって振動の調査と機械の動的挙動の検証の効率を向上

Agfa Graphics

Agfa Graphicsは、商業印刷業界、新聞印刷および出版業界、セキュリティ印刷業界、サインおよびディスプレイ、装飾、産業用インクジェット印刷業界に、統合プリプレス・ソリューションを提供しています。同社のソリューションは、生産ワークフロー、プロジェクトおよびプロセス管理、クラウド・ソフトウェア、画像処理のための消耗品、ハードウェア、ソフトウェア、サービスで構成されています。

本社:
モルツェル, Belgium
製品:
Simcenter 3D Solutions, Simcenter Testing Solutions
業種:
産業機械

共有

振動は生産ライン全体で、さまざまなレベルで発生する可能性があり、Simcenter SCADAS XSはAgfa Graphicsが振動を特定するのに役立っています。
Agfa Graphics

Agfa GraphicsはAgfa最大の事業部門であり、世界の化学物質を使用しない印刷版の大部分を製造し、世界の新聞の4分の1にプリプレス技術を提供しています。印刷工程の要である印刷版は、Agfa Graphicsの中核事業です。

長年の経験と絶え間ない革新の推進によって高い評価を築いてきたAgfa Graphicsが、何より重視し続けているのは品質です。顧客企業が利益を上げて成長し、可能な限り最高の印刷物をコスト効率の高い方法で何百万部も提供できるように、Agfa Graphicsは品質チェックを徹底し、印刷版が印刷機上で優れた寸法安定性を維持するようにしています。

アルミロールから印刷版を製造する際は、生産工程での振動を抑制することがきわめて重要です。動きの速いこの業界では、増大する需要に対処するために生産ラインをより迅速に稼働させることが求められます。生産速度を上げるために変更が実施された場合、追加の品質チェックと新しいトラブルシューティング手法が必要になります。より多くのデータを考慮して処理し、すべての振動を特定して修正しなければなりません。こうした変化する要件にうまく対応するために、Agfaは信頼性と適応性に優れたソリューションを必要としていました。

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振動制御によって印刷の完成度を上げる

Agfa Graphicsは、すべての大陸に専用の製造施設を有しています。アルミロールから印刷版を製造する機械の振動問題を解決するために、専門家や機器をタイトなスケジュールで世界中に派遣することは困難です。しかし、ベルギーを拠点とするAgfa Graphicsのサポートチームは、時間とコストを節約しながら、厳しいスケジュールで世界各地にサービスを届ける手段を見つけました。実用的で使いやすいソリューションである、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのSimcenter SCADAS™ XSハードウェア・データ収集システムを利用することにしたのです。

ポータブルでユーザーフレンドリーなSimcenter SCADAS XSは、この仕事にとって間違いない選択でした。Simcenter SCADAS XSはSimcenter SCADAS™ハードウェア・ソリューション全体の特長である柔軟性、性能、精度に加え、優れた携帯性、軽量設計、サイズの小ささが際立っています。これまでは、振動問題を解決するために、運びにくいハードウェア機器を抱えてさまざまな国へ移動することは大がかりな業務で、多くの場合、厳しい通関手続きが必要でした。持ち運びが簡単なSimcenter SCADAS XSは、理にかなった選択です。このツールはラップトップ・バッグに入り、世界中のどこでもすばやく発送でき、エンドユーザーに特殊なエンジニアリングの専門知識は必要ありません。Simcenter SCADAS XSには設定済みのテンプレートが用意されており、誰でもボタンを押してデータを記録し、アナリストに送り返すことができます。

ペースの速い印刷業界では、適切なツール、特にスマートなデジタル・テクノロジーで振動試験を実施することは大きなメリットになります。Agfaの技術サポートチームのメンバーは、次のように述べています。「われわれは、周波数をチェックして、異なるプロセス信号のマルチチャネル並列記録間の相関関係を見つけるところまで可能な、恒久的ソリューションを構築したり、機械の振動や動的挙動を解析したりするための効率的な手段を常に探しています。当社は20年前にシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアと共同でこの検討を開始し、Simcenter SCADAS 305を使用することから始めました。そのため、Simcenterの試験ソリューションには以前から慣れ親しんでいました。世界中のAgfaで多くのサポート需要があるため、Simcenter SCADAS XSはバックアップ・ソリューションとして考えられていました。グローバル企業である当社は、トラブルシューティングや振動制御のニーズに合ったSimcenter SCADASの優れた携帯性とスマートな機能にすぐに注目しました。」

試験の効率化

ポータブルなデータ収集システムであるSimcenter SCADAS XSは、振動試験測定時の携帯性が高く、生産ラインで役に立ちます。ラインが数百メートルに及ぶ場合、Simcenter SCADAS XSシステムに付属するタブレットを持ちながら端から端まで歩けば、リアルタイムで簡単に検証できます。Agfa Graphicsチームのメンバーは、Simcenter SCADAS XSをスタンドアロンで、または複雑なデータ測定時にはフロントエンド・ツールとしてラップトップに接続して使用しています。

Agfa Graphicsの担当者は、次のように話します。「Agfa Graphicsの複雑なプロセスでは、オンラインとオフラインの両方の品質管理を行いながら、プロセス内の潜在的な問題を探すため、多くの測定を考慮しなければなりません。動的解析にはさまざまなセンサーが使用されています。振動は生産ラインのさまざまなレベルで発生する可能性があり、Simcenter SCADAS XSはAgfaが振動を特定するのに役立っています。」

トラブルシューティングのプロセスでは、タイミングが重要です。エンジニアは振動が発生する正確な瞬間を突き止め、関係性を検出して最終的に根本原因を特定しようとします。Simcenter SCADAS XSハードウェアとSimcenter TestLab™ソフトウェアを併用することで、診断とトラブルシューティングが効率化されます。

印刷版の未来を見据えて

良い投資とは長期的な投資です。タブレットが付属するSimcenter SCADAS XSの場合、エンジニアがオフィスで試験の設定を行い、現地のオペレーターのための基本的な手順書を添えてSimcenter SCADAS XSを地球の反対側に発送できます。オペレーターは機械のさまざまな場所で、さまざまな振動レベルの時間を簡単に記録し、Simcenter SCADAS XS本体を返送したり、インターネット経由でデータを送信したりして、非常に迅速なトラブルシューティングにつなげることができます。収集したデータとSimcenter TestLabソフトウェアがあれば、特定の周波数と伝達関数を調査するために必要なすべての要素が揃い、強い振動の根本原因特定に役立ちます。

Agfa Graphicsは予防もまた、将来に向けて重要な課題だと考えています。ラインが加速すると、異なる共振周波数が発生する可能性があります。パターンを特定することで、過度の振動を防止できます。Agfa Graphicsは、Simcenter SCADAS XSの力を、この目的にも活用する予定です。

Simcenter SCADAS XSハードウェアとSimcenter TestLabソフトウェアを併用することで、診断とトラブルシューティングが効率化されます。
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